・国会開くと1日3億円の根拠
そもそも、この話の出処はどこなのだろうか。
日経新聞WEBにこのような記事があった(記事よりずっと以前から国会開くと1日3億の話は見受けられるが)
国会にかかる費用1日3億円 民主主義の必要経費とは: 日本経済新聞
この記事によると、国会議員歳費などを含めた総支出を1年で割ると、1日3億円ほどということだ。
この記事については確かに正しい。単純計算では1日3億円かかっていることになる。
しかし、この記事が意味するのは「1年間に国会にこれだけの税金が使われています」ということであり、「国会を開くと1日3億円かかる」とは全く異なる話である。
・過去10年間での国会開催日数最多である2011年と、最小である2017年の支出額を比較する
ここからは実際の金額ベースの話だ。
2011年、東日本大震災が起こった年であるが、通常国会150日に加え、臨時国会等139日の会期で国会は開かれた。計289日である。
(画像は東京新聞より)
2017年、臨時国会冒頭で衆院が解散された年であるが、通常国会150日に加え、臨時国会等40日の会期で国会は開かれた。計190日である。
ここで、財務省の予算書 決算書データベースより各該当年の国会の支出額を確認した。
289日もの日程で開かれた2011年の国会所管支出額は『136,288,327,581円』であり、ここから震災によって起きた施設復旧費衆参両院計『698,333,000円』(2017年には該当支出なし)を差し引くと『135,589,994,581円』(1355億8999万4581円)になる
それに対し、190日の日程で開かれた2017年の国会所管支出額は『134,289,401,317円』(1342億8940万1317円)である
2011年の会期日数289日から2017年の会期日数190日を引くと、99日
2011年の国会支出135,589,994,581円から2017年の国会支出134,289,401,317円を引くと1,300,593,264円(13億59万3264円)である
1,300,593,264円を99日で割ると、
国会支出額ベースにおける臨時国会1日を開くにあたりかかった費用は
『13,137,395円』(1313万7395円)
である。
はて、3億とは……?
実際の金額ベースでの検証はできたと考えられるが、あくまで参考程度の数字であることをご留意願いたい。
※今回の検証において各官庁の国会対策における人件費は考慮していないが、そもそも公務員は年棒制であるため、別枠である残業代などを含めても考慮に加える必要はないと考えられる。
国会議員も同様に、歳費は固定であり、むしろ国会を開いて働いてもらわなければ税金の無駄である。
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