1: 民主主義者 2021/10/19(火) 14:05:18.93 ID:3bwcVueY9
ドイツと日本――。互いにヨーロッパとアジアを代表する工業先進国として、何かと比較されがちな両国だが、国民性の違いは案外大きい。
ドイツの高等教育で生徒と教師の両方を経験し、現在は日本の私立中高一貫校で教鞭を執る筆者が、10代の投票率の差から日独の教育文化の違いを分析した。
■10代の投票率が約7割
9月26日に実施されたドイツ連邦議会選挙は、SPD(ドイツ社会民主党)が206議席を獲得して辛くも第1党になる結果となった。
アンゲラ・メルケル首相の後を継ぐ政権運営に、19歳の大学生は、「私は保守派だからCDU(キリスト教民主同盟)の方が良かったけど、SPDのオラフ・ショルツ氏も悪くないと思う」
と結果をまとめ、非有権者である16歳の高校生は、「SPDが連立政権のパートナーとしてどの政党を選ぶのか注視する」と評価していた。
ドイツの参政権は18歳以上であるが、投票する権利の有無に関わらず、「環境問題に対する政策を最優先に考えるべきだ」、
「移民、難民に対する排他的な姿勢をとるべきではない」などと、10代同士でも選挙の話題が盛り上がる。
今回の総選挙での10代(18歳~20歳)投票率は現時点で未発表だが、前回2017年の総選挙では69.9%であった。
全体投票率は17年の76.2%に対して今回76.6%なので、10代の投票率は今回もおそらく7割近いと思われる。
一方、日本においても10月31日に第49回衆議院議員選挙の投開票を控えている。投票率は国政選挙で毎回注目されるテーマのひとつだが、
2019年参議院議員通常選挙の投票率は全体で48.80%、10代は32.28%であった。
筆者は、今回も投票率に大きな違いはないと予想する。なぜ日独では投票率に圧倒的な差が生まれるのだろうか。
筆者の生徒である日本の高校3年生(18歳有権者)は、
「選挙には行くけど、政治を身近に感じることはない」
という。理由を聞くと、
「大雨や猛暑日に街頭へ繰り出して演説するとか、今の時代にまるで合わない手段だから」
どうやらデジタルネイティブ世代にとっては、現在の選挙スタイルそのものが古臭く感じるらしい。また、「私は投票していない」という元教え子の19歳の大学1年生は、
「政治について授業で習っていないので、投票するなら勉強して政策を理解してから行きたい」
と言っていた。関心はあるけれど、誰に投票したら良いのかわからないということか。
■教員の政治的中立とは?
日独における政治や選挙に対する意識の差は、両国の学校教育の違いから生まれるのではないだろうか。
日本の学校では、「公民」や「政治経済」という科目で現在の選挙制度や選挙の歴史を学ぶ。
中には、自治体の選挙管理委員会から実際の投票箱を拝借し、投票の練習や模擬選挙を実施する熱心な先生もいる。
しかし、「教育基本法」では、教員の政治的中立を確立するため、特定の政党への賛否、政治教育、政治活動などが明確に禁じられている(同法第2章14条)。
これに抵触しないよう十分に気を遣いながら政治教育を進めていくことになると、触らぬ神に祟りなしと考えて選挙制度の知識を教えるだけで終わらせ、「語らないことによる中立」を意識せざるを得なくなる。
ドイツの政治教育はどうだろうか。ドイツの学校では、日本の中学2年生にあたる時期から政治の授業で現実の政党と政策を学ぶ。
例えば、まず生徒達で数人ずつのグループを作り、それぞれ調べたい政党を決め、ポスターにまとめて発表する。
「CDUは、退任するメルケル首相が率いる政権与党であり、経済政策では将来の増税に繋がるような財政赤字をよしとしない、
家族政策では同性愛家庭には後ろ向き」といった具合である。その上で、生徒同士が政策に対する賛否を個人的に意見する場面も見受けられる。
議論が白熱すればするほど、それは政策を理解した上での政治的な立場の表れとなる。
だからこそ、教師はどちらも政治的な意見だと気づかせつつ、双方の意見を等しく認めていく。そして、個々の意見を代弁して実行してくれる政党への投票行動が有意義であることに気づかせる。
(以下略、全文はソースにて)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4b8f442b85e0270d6592a3a619a392f59f7679d1?page=1
ドイツの高等教育で生徒と教師の両方を経験し、現在は日本の私立中高一貫校で教鞭を執る筆者が、10代の投票率の差から日独の教育文化の違いを分析した。
■10代の投票率が約7割
9月26日に実施されたドイツ連邦議会選挙は、SPD(ドイツ社会民主党)が206議席を獲得して辛くも第1党になる結果となった。
アンゲラ・メルケル首相の後を継ぐ政権運営に、19歳の大学生は、「私は保守派だからCDU(キリスト教民主同盟)の方が良かったけど、SPDのオラフ・ショルツ氏も悪くないと思う」
と結果をまとめ、非有権者である16歳の高校生は、「SPDが連立政権のパートナーとしてどの政党を選ぶのか注視する」と評価していた。
ドイツの参政権は18歳以上であるが、投票する権利の有無に関わらず、「環境問題に対する政策を最優先に考えるべきだ」、
「移民、難民に対する排他的な姿勢をとるべきではない」などと、10代同士でも選挙の話題が盛り上がる。
今回の総選挙での10代(18歳~20歳)投票率は現時点で未発表だが、前回2017年の総選挙では69.9%であった。
全体投票率は17年の76.2%に対して今回76.6%なので、10代の投票率は今回もおそらく7割近いと思われる。
一方、日本においても10月31日に第49回衆議院議員選挙の投開票を控えている。投票率は国政選挙で毎回注目されるテーマのひとつだが、
2019年参議院議員通常選挙の投票率は全体で48.80%、10代は32.28%であった。
筆者は、今回も投票率に大きな違いはないと予想する。なぜ日独では投票率に圧倒的な差が生まれるのだろうか。
筆者の生徒である日本の高校3年生(18歳有権者)は、
「選挙には行くけど、政治を身近に感じることはない」
という。理由を聞くと、
「大雨や猛暑日に街頭へ繰り出して演説するとか、今の時代にまるで合わない手段だから」
どうやらデジタルネイティブ世代にとっては、現在の選挙スタイルそのものが古臭く感じるらしい。また、「私は投票していない」という元教え子の19歳の大学1年生は、
「政治について授業で習っていないので、投票するなら勉強して政策を理解してから行きたい」
と言っていた。関心はあるけれど、誰に投票したら良いのかわからないということか。
■教員の政治的中立とは?
日独における政治や選挙に対する意識の差は、両国の学校教育の違いから生まれるのではないだろうか。
日本の学校では、「公民」や「政治経済」という科目で現在の選挙制度や選挙の歴史を学ぶ。
中には、自治体の選挙管理委員会から実際の投票箱を拝借し、投票の練習や模擬選挙を実施する熱心な先生もいる。
しかし、「教育基本法」では、教員の政治的中立を確立するため、特定の政党への賛否、政治教育、政治活動などが明確に禁じられている(同法第2章14条)。
これに抵触しないよう十分に気を遣いながら政治教育を進めていくことになると、触らぬ神に祟りなしと考えて選挙制度の知識を教えるだけで終わらせ、「語らないことによる中立」を意識せざるを得なくなる。
ドイツの政治教育はどうだろうか。ドイツの学校では、日本の中学2年生にあたる時期から政治の授業で現実の政党と政策を学ぶ。
例えば、まず生徒達で数人ずつのグループを作り、それぞれ調べたい政党を決め、ポスターにまとめて発表する。
「CDUは、退任するメルケル首相が率いる政権与党であり、経済政策では将来の増税に繋がるような財政赤字をよしとしない、
家族政策では同性愛家庭には後ろ向き」といった具合である。その上で、生徒同士が政策に対する賛否を個人的に意見する場面も見受けられる。
議論が白熱すればするほど、それは政策を理解した上での政治的な立場の表れとなる。
だからこそ、教師はどちらも政治的な意見だと気づかせつつ、双方の意見を等しく認めていく。そして、個々の意見を代弁して実行してくれる政党への投票行動が有意義であることに気づかせる。
(以下略、全文はソースにて)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4b8f442b85e0270d6592a3a619a392f59f7679d1?page=1
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